整形外科とはどんな患者をみるか
整形外科はどんな患者さんをみるのでしょう

はじめに   ある日、重いものを持って腰が痛くなったとしましょう。あなたは何科の医者にかかりますか。  内科でしょうか、外科でしょうか。このように皆さんが経験したことのある腰痛、肩こり、神経痛、  関節痛など、そして骨折、捻挫、打撲、切り傷等の患者さんを治療するのが整形外科です。   すなわち整形外科は四肢(手足)と体幹(せぼね)を治療する診療科です。 わかりやすく言いますと、首から足までの内臓と皮膚を除いた病気を取り扱うのが整形外科です。   また高齢化社会の到来とともに手足の動きが悪くなった患者さんを、リハビリテーションで動き やすくして、人間らしい生活が出来るように治療するのも整形外科の役割の一つです。   時々「整骨院(接骨院)」と間違う方がありますが、整形外科は「医師」が治療する診療科の一  つであります。そして整骨院は柔道整復師が施術する所で、医師が診療に従事する整形外科とは異  なります。  ●以下の例に示すような場合には、整形外科専門医による治療が必要です。    骨が折れたとき     骨折はギプスや、必要があれば手術で治療します。骨折が治り骨がついた後に関節が動かな    くなったり、骨が曲がっていたり、最悪の場合骨がつかないこともあります。このような不都    合なことが起こらないように整形外科専門医による治療が必要になります。     子供では折れた骨が曲がったままで成長したりしないように、大人では早く仕事が出来るよ    うに、老人では寝たきりにならないように治療することが必要です。    スジ(腱)が切れたとき      この場合、診断が難しいことがあります。肩があがらなくなったり、指の動きが悪くなった    りしますが、診断が遅れると治療結果が悪くなり、最悪の場合にはスジ(腱)を縫うことがで    きなくなります。また、縫った後にまわりとくっついて関節が動かなくなることもあります。    したがって、適切なリハビリテーションが必要であります。    肩こり、腰痛、神経痛のとき     原因がどこにあるか診断することが大切です。肩こりの場合にはくび(頚椎)か肩に、腰痛    の場合には、主に腰に原因がありますからレントゲン等で骨の状態を検査します。神経痛も多    くは、くび(頚椎)やこし(腰椎)に原因があります。又、時には(稀ですが)癌の転移によ    る痛みもあります。したがって、しっかりした診断のもとに治療することが、早く病気から解    放される秘訣です。     首や腰に原因がある神経痛では手足の筋肉がやせて力が弱くなることがあり、保存的治療で    治らない時には、手術をしなければならないこともあります。     関節が痛いとき     まず痛みの原因を確かめなければなりません。原因が外傷やスポーツと関係がないか、リウ    マチではないか、老化によるものかなど診断しなければなりません。それによって、治療も異    なってきますが、原因としては、年をとったり、その上、体重がふえて関節が変形することに    よる関節痛が最も多くみられます(変形性関節症)。多くの人は関節のまわりの筋肉の力を強    めたり、関節を暖ためたり、体重を減らすことで症状は軽くなります。しかし、病状が進行す    ると手術に頼らなければ治らない場合もあります。(人工関節など)   (5)骨が痛いとき     骨にできもの(骨腫瘍など)ができて痛くなることがあります。良性と悪性のものがありま    す。また高齢者では骨がもろくなって(骨粗鬆症)痛むことがあります。骨粗鬆症の場合、折    れ易く倒れないように注意し、予防的に骨を強くする為の治療が必要になります。     いずれにしても、診断を確実にして適切な治療を受け、日常生活や運動についても、整形外    科医のアドバイスにしたがって下さい。                                        (長崎大医学部 伊藤信之)

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