整形外科は外科と違うの?(1999年10月30日)
整形外科と外科は違います。八百屋さんと魚屋さんが違うようなものです。
整形外科で診る病気は、骨や関節、筋肉、神経など運動に関係した器官の病気です。肩凝り、腰痛、
肩の痛み、膝の痛み、ねんざ、骨折、打撲、怪我(すりきずなどを含む)などは整形外科が最も得意
とする分野です。
外科はこれに対し、胃や腸、肺や心臓など主に内蔵の病気を(手術的に)治療することが専門です。
もちろん外科にかかって膝が痛いと言っても診てもらえますが、外科の進歩に付いていくことに多忙な
まじめな外科医が、膝の手術をする訳がありません。
したがって正確に診断できるか、適切に治療できるか、については疑問があります。
整形外科の専門医の修練を受けた医師は、運動器官の手術的治療を専門にしています。
外科医よりはるかに正確な診断と治療ができます。
魚屋さんに一番おいしい大根をくれと買いに行く人はいません。もしいても魚屋さんは
「八百屋さんに行ってよ!」って言います。だけど、外科医のなかには専門外なのに
(親切心からと信じますが)
整形外科の病気を診てしまう医師もいます。その結果、はじめから整形外科にかかっていれば
すぐに治ったのに、長期間かかってしまうという不幸な例がまだあります
(地獄への道は善意によって敷きつめられている?)。
整形外科医でなくても、「整形外科」の看板を掲げることは法律的には許されています。
これは医学部(全ての臨床科が必修です)を卒業していれば、一応その分野の専門医でなくても、
緊急的にどんな疾患でも診ることが要求されるからです。しかし、今やよほど無医村でもなければ
専門外の疾患を診続けることは、普通道徳的に許されません。
魚屋さんは「八百屋さんに行ってよ」って言いますが、医者は言わないかもしれません。
道徳的規範が低いのではなく、善意からでしょうが。インフォームド コンセント
(医師から説明を受け、患者さんが十分理解した上で患者さんが同意すること)が注目されて久しいのに。
大学病院では普通治療を始めるにあたって患者さんに最大限の理解を得て頂くために
自分の専門分野を説明します。最良の医療を提供しようとすれば、整形外科の中においてさえ、
例えば股関節の専門家は腰のヘルニアの手術をすることはありません
(両方とも専門とすることはあります。その場合その医師にどんな論文や研究業績があるかで判断できます。)
もし患者さんが同意の上で、専門外でもその医師にかかりたいというので
あればそれはそれで、患者さんの共同責任において可能ですが。
整形外科の専門医であるかについては
「日本整形外科学会認定医」
であるかどうかをチェック
すれば一応可能です。これはその医師が専門医として最低限の教育は受けたことを保障します。
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