アメリカの医療
アメリカの医療

アメリカの医療 アメリカの医療についての面白い逸話が日本整形外科医会(JCOA) (http://www.jcoa.gr.jp)の中にありましたので転載します。  たかが足の変形の診断から、最終的にもたいしてまとも でもない治療を受けるまでにいかに時間を食っているか 信じがたいお話。  またそこから彼女の持論のフットセンターという 単科専門病院を作ろうという話になっていく。  これもかなりおかしい方向。  こんなものは専門整形外科開業医が一人いれば1日で かたがつく話ですね。 医師のレベル自体も信じがたいお話。  専門性の弊害が極までいっている。  アメリカの医療がいかにだめか良く分かる本です。 レジナ・E・ヘルツリンガー教授著 「Markrt-Driven Health Care」の邦訳 医療サービス市場の勝者」 の専用のホームページ  http://www.springer-tokyo.co.jp/y-okabe.html  以下はその本からの引用です ----------------------------------   なぜ友人の足は今も痛むのかー足と涙の物語  医療を受ける場所、時間、組織にまつわる不便さは、 患者にかなりの負担を与えている。私の友人がよい例だ。 彼女は足がフットポール状に腫れ上がった時、まず 加入しているHMOが指定する内科の一般医に相談した。 すると放射線科医のところに回され、三時間待ちで足の レントゲン写真を一枚撮った。数日後に予約が取れ、 再び一般医を訪ねると、足専門医を紹介された。 数週間後にやっとその足専門医に会うと、 「関節炎ですね。骨棘(こつきょく)を取り、骨の一部を 削って軟骨様の組織形成を促す手術がただちに必要です」 と言われた。忙しい友人は手術と聞いて青くなり、最初の 一般医のところに戻ってセカンドオピニオンを求められる 専門医の紹介を頼んだ。一般医は了解し、「待っている間に」 と言って血液検査を勧め、検査室に持っていく書類をくれた。  この頃には足の腫れはやや退いたものの、まだ相当痛んだ。 彼女はこの時点ですでに三人の医師にかかり、その予約を とるために個人的な時間を一週間費やしたが一向に効果は 見られず、一般医が処方した痛み止めも、飲むと気分が悪くな るので止めた。しかし、「関節炎ヘルプブック」という本の おかげで、徐々に知識がついてきた。変形性関節炎、つまり 関節の摩耗は中年のありふれた病気だということも分かった。 はるかに怖いのがリューマチ性関節炎と痛風で、こちらは 関節のひどい変形につながり、全身状態に影響する。 この二つは血液検査で見つかることも分かった。  HMOの医師はまったく必要ないという口ぶりで血液検査 の用紙をくれたが、彼女はリューマチ性関節炎と痛風の可能性 がないかを調べる検査項目にひそかにチェックを入れた。 それから病院の整形外科医に行ってセカンドオピニオンを求めた。 そこの病院の理事が個人的な友人だったので、たった一週間後に 予約が取れ、整形外科医は約束の時間にほんの一時問遅れで 現れるという「特別待遇」を受けた。レントゲンを見ると、 医者は即座に「間違いなく痛風です。あなたのようなインテリ 女性には痛風が多いんですよ」と言った。一方、一般医は血液検査 でリューマチ性関節炎の疑いが出たと言って、血液学の専門医を 紹介してくれた。二週間後に予約が取れ、その医師は二時間遅れで 現れた。その診断は? 確かに数値は高いが、他にそれらしい症状は 見られず、どう考えたらいいか分からないとのこと。  ここまでで二ケ月が経過し、友人はすでに三ケ所の医師計五人 を訪ねたにもかかわらず、足はまだ痛んだ。弱った彼女は 知り合いの医者に足専門医を紹介してほしいと頼んだ。 二週間後、もう一つの病院の待合室で、主に糖尿病の患者を診 ている足専門医を待ちながら、彼女は私に自分はこれでも 運がよい方なのだと語ってくれた。同じ待合室には足が無残に 変形してしまった患者もいた。足の指や骨の一部を失くした人も 多かった。  その足専門医は彼女の足とレントゲン写真を五分診た後で 単刀直入に言った。 「原因は特定できませんが、対処はできます。あなたの足型に 合わせた装具を靴の中に入れ、負担を減らすのです。痛風は 問題外ですね。痛風なら足の骨がまったく違う変形を見せます。 あなたのは明らかに関節炎です」 装具を作るために二回通い、 その間に靴を一足紛失したが、友人はようやく回復の途についた。 痛みもなく歩けるようになった。  しかし、それで終わりではなかった。二人目の足専門医は 優秀だったが、予約しても長時間待たされ、時間がかかり過ぎた。 事務的にもルーズで、たびたび彼女のカルテやレントゲン写真を 紛失した。たくさんの人に「誰かいい専門医を知らない?」と 聞いて回って、やっと見つけた別の足専門医は予約の時間を守り、 診療記録もきちんと管理し、かかとの運動を指導してくれた。 だが、この医師に出会うまでに五年かかり、何百時間という時間と 数千ドルが無駄になった。  私は友人からこの話を聞くにつけ、なぜ「フットセンター」 のようなものがないのか不思議で仕方がなかった。 専門スタッフが揃い、検査室や放射線センターを備え、その場で 靴に挿入する装具や靴を作ったり、運動を行なったりできる足 専門の総合的な治療センターだ。患者は各分野の専門家を集めた チームによる診断と治療を受ける。そんなフットセンターなら 大きな需要があるだろう。関節炎に悩む人口は三〇〇〇万人を越え、 それ以外にも足にかかわる問題を抱える患者は何百万人もいる。 ある調査によると、高齢者の二二%が立った時に足の痛みを 覚えると言い、他に症状(六五%は魚の目やタコがある) のある場合は痛みを覚える率がぐっと高かった。 買物や数百メートル歩くといった日常生活動作能力の 問題と足の痛みとの間には有意な相関があった。  ビジネス面から言ってもフットセンターの対象とする市場は 巨大なうえ、足の病気の多くは慢性的であるため繰り返し利用 する顧客が多い。これはまさに夢のビジネスではないか。 顧客はその利便性からセンターに殺到するだろう。ここでは、 より質の高いケアを提供できる可能性も高い。友人を痛風と診断 した医師やすぐに手術したがった医師は生き残れない。チーム内 の他の専門医から診立てのまずさを批判されるからだ。 やぶ医者は猛勉強するか、さもなくば失業するかだ。  フットセンターがあれば、あちこちの医者を訪ね歩く手間も 省ける。友人は言っていた。「私の足に関する彼らの知識は、 私と同程度、正直に言えばそれ以下だったわ。足について 実際には何も知らない専門医にどれだけ無駄なお金を払っ たことかしら。でも、やっと出会えた本物の専門医は すばらしいの一言よ。一度で正しい診断を下し、 たちまち適切な治療法を指示してくれたわ」フットセンター は彼女の雇用主にも米国経済にも益するだろう。 予約があるのに長時間待たされることもなくなる。 センターには類似の患者が集まるため、予約担当者は時間予 測が正確にでき、診察が長引いて後の患者を延々と待たせる ことはない。フットセンターの成功は間違いない。 その事業は顧客にも経済にも利点がある。にもか かわらず、そんなセンターは存在しない。なぜなのか? --------------------- (2000年9月23日)

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